折々のうた

雲の峰

裏は明るき

入日かな

内藤 鳴雪

『鳴雪句集』(明四二)所収。大正十五年七十九歳で没した俳人。松山藩士から文部省の役人となる。旧藩主久松家の嘱託で常磐会寄宿舎を監督。たまたま宿舎に入った同郷の後輩正岡子規の感化で、四十代半ばにして句作を始め、たちまち一家をなす。和漢の教養に富み、句は大らかで風格がある。夏の夕方、西空を入道雲が高々とおおう。だがその裏は、沈みつつある太陽に明るく照らされて。