大蛍ゆらりゆらりと

小林一茶(こばやしいっさ)

『おらが春』所収。一茶の句には擬声語、擬態語が実に多い。「うまさうな雪がふうはりふはりかな」「稲妻やうつかりひよんとした顔へ」「けろりくわんとして烏と柳かな」「昼の蚊やだまりこくつて後ろから」「寝た下を凩づうんづうんかな」。みな成功している。これは一茶が人・動物・事象の、特に動作や変化を鋭い注意力と感覚で捕らえることに日頃心を砕いていたことを示すものだ。