水ふんで

草で足ふく

夏野哉

小西 来山

『今宮草』所収。「在所めづらしく、あらぬかたまでさまよひまはりて」と前書きのある句。来山は大坂の生まれ、芭蕉より十歳若く、同時代のもう一人の俳諧の偉才上島鬼貫と親交があった。談林俳諧から出発した人。酒仙ぶりも有名だが、晩年は蕉風に近づいたとされる。確かにこの句も田舎の散策の気分を活写してさわやかだ。それでも、辞世の歌は狂歌風だった。「来山は生れた咎で死ぬるなりそれで恨みも何もかもなし」