押鮓に

借らばや

(なれ)

石頭(いしあたま)

谷活東

『俳諧新潮』(明三六)所収。上記句集は小説家尾崎紅葉が俳諧師十千万堂(とちまんどう)として編集した紅葉一派の句の撰集。この句の作者活東は紅葉門の小説家で、俳句にも活躍し、新体詩も書いた。信濃毎日新聞記者となったが結核にかかり、二十八歳で夭折。奔放で常軌を逸する行動も多かったらしい。この句、まさにそんな人物の面目躍如たるものがある。「何てぇ石頭野郎だい、押鮓のおもしにぴったりだぜ」。古来鮓の句は多いが、文句なしの異色だろう。