まてどくらせどこぬひとを

宵待草のやるせなさ

こよひは月もでぬさうな。

竹久 夢二

詩集『どんたく』(大二)所収の「日本のむすめ」十六編の第一。宵待草は夏の夕方黄色い花を開き、朝にはしぼむオオマツヨイグサの異名で、俗には月見草ともいう。宵に恋人を待ちくたびれる女心を宵待草の名にかけて、夢二好みの清怨のためいきを歌う。はじめ「……宵待草の心もとなき/「おもふまいとは思へども」/われとしもなきため涙」云々の八行の詩だったものを、三行に改作して成功した。曲となり大いに愛唱されているのは周知の通りである。