白珠は人に知らえず

知らずともよし

知らずとも吾し知れらば

知らずともよし

ある僧

『万葉集』巻六。奈良の元興寺の一僧、衆にぬきんでて学問があったが頭角をあらわすことができず、かえって他の連中に馬鹿にされてばかりいた。そこでみずから嘆いてこの歌を作った、と註にある。真珠(白珠)は人に真価を知られない。知られなくてもかまやしないさ。世間のやつらが知らなくても、自分で自分の真価を知っているなら、連中が知らなくたってかまやしないさ。