郭公や

何処までゆかば

人に逢わむ

臼田 亜浪

『亜浪句』(大一四)所収。「ひとり志賀高原を歩みつつ」と前書。寂寥感を漂わせるが、人なつかしさに堪えて孤独な旅路をゆく者の自愛の思いも感じられる。大正三年夏、病後の静養のため渋温泉に滞在していた時の体験を、十年後に回想して作った句。亜浪は当時三十代半ば、前途の方針について悩みがあったが、後に振返ってみると、それが生涯の転機の夏なのだった。