ねがはくは

花のもとにて

春死なむ

その如月(きさらぎ)

望月(もちづき)のころ

西行 法師(さいぎょうほうし)

『新古今集』雑下。西行の作中特に有名な歌だが、『新古今集』完成の中途で切り出し(削除)措置を受け、異本にのみ残された。「如月の望月のころ」は二月十五日(満月)をいう。太陽暦では三月末に当たる。西行の熱愛した桜の花盛りの時期に当たるが、また釈迦入滅の日でもある。出家の身として、とりわけその日に死にたいという願いをこめた歌だが、驚いたことに、彼は願った通り、河内の弘川寺で、建久元年二月十六日に没した。