両方に

(ひげ)がある(なり)

猫の恋

小西 来山(こにしらいざん)

『近世俳句俳文集』所収。芭蕉と同時代の大阪の俳人。西山宗因のひきいた談林派の出だが、感性鋭く、詠風は闊達である。これは恋猫が雄にも雌にもひげがあるのに興じた軽妙な句。前書きがあって、その大意―「七福神の恵比寿どのと大黒どのとをてっきり夫婦と思いこんでいる尼さんがいる。違うと言いきかせてもきかない。恵比寿・大黒両方ともひげがあるついでに、ふと思い出してこれを書く」と。この由来もまた愉快。