いちどだけ

父と馬刀突(まてつ)

したること

星野 麦丘人(ほしのばくきゆうじん)

『寒食』(昭五八)所収。大正十四年東京生まれの俳人。石田波郷に師事し、多年「鶴」を編集する。「馬刀(まて)」は馬刀貝。長円筒形の殻をした二枚貝で美味。海の砂泥に穴を掘って住む。浜が干潮になったとき、針金や棒で突いてとるのが馬刀突き。父親に一度だけ連れられて、馬刀突きにいった事があった。一度だけだったから一層鮮明に蘇る。小さな小さな日常が、かけがえない思い出となる。