梅は(にほ)ひよ

木立(こだち)はいらぬ

人はこころよ

姿(すがた)はいらぬ

隆達 小歌(りゅうたつこうた)

隆達小歌は近世最も栄えた貿易港である堺の旧家出身の僧、高三(たかさぶ)隆達が創始した歌謡。約五百首の歌詞が残っている。隆達自身の作詞も、そうでないのもある。室町の『閑吟集』を継ぎ、江戸時代歌謡につらなる位置にある。大半を占めるのは恋の歌だが、思想的には無常観支配的で、題材といい思想といい、昭和の今日まで、日本歌謡の基調は、思えばまことに一貫していた。右は無常観の表現ではないが、これまた日本の歌謡の愛する思想を歌っている。