山や雪

知らぬ鳥鳴く

都かな

心敬

室町末期の連歌師宗祇(そうぎ)の著『吾妻問答(あずまもんどう)』に、「比類なき風情」の句の一つとして挙げる句。心敬は室町中期の連歌師で、宗祇の師だった。権大僧都(ごんのだいそうず)にまでのぼった歌僧。禅哲学を体得し、冷え寂びた境地に詩歌の神髄を求めた。右は連歌の発句として作られた句。「知らぬ鳥鳴く」のが都である所に懐かしい風情が漂う。理で解すれば、山は雪なのだろうか、知らぬ鳥が都に下りてきて鳴く所を見ると、となろうが、あまり理づめに読まぬ方がよい。