去年今年(こぞことし)

貫く棒の

(ごと)きもの

高浜 虚子

『六百五十句』(昭三〇)所収。昭和二十五年十二月二十日、新春放送用に作った句という。当時七十六歳。「去年今年」は、昨日が去年で今日は今年という一年の変わり目をとらえ、ぐんと大きく表現した新年の季語。虚子の句はこの季語の力を最大限に利用して、新春だけに限らず、去年をも今年をも丸抱えにして貫流する天地自然の理への思いをうたう。「貫く棒の如きもの」の強さは大したもので、快作にして怪作というべきか。