足軽の

かたまつて行く

寒さかな

井上 士朗(いのうえしろう)

江戸時代後期の俳人。尾張の産、名古屋で産科医を業とした。国学を本居宣長に学び、俳諧にも名声があった。随筆も含めて著作が多い。足軽は最下位の武士で、戦場では粗末な足軽具足をつけて歩兵となり、平時には走り使いの雑役に従った。冬のうそ寒い町なかを足軽が寄り添いあって通ってゆく。一人一人の闊歩でなく、かたまって急ぎ足に無言で通り過ぎる姿が、冬の寒さをひとしお深める。