憂きことを

海月(くらげ)に語る

海鼠かな

黒柳 召波(くろやなぎしょうは)

別号を春泥舎という江戸中期の俳人。与謝蕪村の高弟。クラゲとナマコの対話という題材は珍しく、句も新鮮だ。「あはれ」と「をかし」を兼ね備えている句といえよう。理屈をいえば、海底にいながら人にねらわれて食われるナマコが、水面にいるのに食用に不向きなため比較的安全なクラゲに対して、身の憂さ、辛さをぼそぼそ話している図と解されようが、そこまで理詰めに解さずとも、単に浮遊する者と這う者の会話と見るだけで面白い。