水鳥や

むかふの岸へ

つういつい

広瀬 惟然

放浪の俳人惟然は美濃(岐阜県)の人で、芭蕉晩年の門人。惟然坊とよばれた。風狂の人となりが句作にもそのまま現れ、口語の擬声・擬態語を多用して、物に感じ心が動くとき口をついて出る想念を、わかり易い句にしたてた。「梅の花赤いは赤いは赤いはな」(「は」はワ)や右の句など特に有名。「水鳥」はカモ、オシドリの類で冬の季語。水鳥の生態を「つういつい」に活写したが、常にこの手が成功するわけではない。