芋嵐猫が

(ひげ)張り歩きをり

村山 古郷(むらやまこきょう)

『村山古郷集』(昭五五)所収。明治四十二年京都市生まれの俳人・俳論家。同じく俳人だった兄葵郷の手ほどきで俳句を始めた。近代俳句・俳壇史の知見の広さでは定評があり、その方面での著作も多い。芋の葉裏を白くひるがえらせて吹く強い秋風が「芋嵐」。この秋風が吹くころには、初夏ごろ生まれた子猫たちもりっぱに一人前になっている。ひげをぴんと張って畑中の道をゆく猫の、いかにも威厳ありげな姿のもつおかしみ。