折もよき

秋のたゝきの烏帽子魚(ゑぼしうを)

かま倉風にこしらへてみん

雀酒盛(すずめのさかもり)

『徳和歌後万載集』巻三秋。天明狂歌壇無数の作者の一人。「烏帽子魚」とは鰹の異名。江戸時代鎌倉が本場とされた。その秋鰹のたたきを造ろうとする江戸っ子が「いっちょ、鎌倉風にこしらえてやるか」と勇んでいっている風情。烏帽子魚の語には、鎌倉幕府の武者がかぶった烏帽子への連想があるので、実際には鰹の料理にすぎないのに、下句にいかにもさっそうと奮いたった感じが出た。