(うすつ)ける

彼岸秋陽(ひがんあきび)

(きつね)ばな

赤々そまれり

ここはどこのみち

木下 利玄(きのしたりげん)

『李青集』(大一四)所収。大正十四年三十九歳で没した岡山県生まれの歌人。佐佐木信綱門、「白樺」同人。「わが故郷にては曼珠沙華を狐ばなと呼ぶ、われ幼き頃は曼珠沙華の名は知らざりき」という詞書がある歌。「舂く」は夕日が山に沈もうとする状態をいう。利玄は口語や童謡歌詞を多用し、この歌の下句にあるように、八音を効果的に使って独特の調べを案出した。これは最晩年の作。曼珠沙華の妖しい美しさをぶきみなほどとらえている。