石に腰を、

墓であつたか

種田 山頭火(たねださんとうか)

『草木塔』(昭一五)所収。漂泊の俳人山頭火は数年前一種のブームを呼んだ。定本版の句集や全集が編まれたことも一因だったが、日本人の心にある放浪の行者的な詩人へのあこがれ、共感が、山頭火という近代の放浪者に新たな対象を見出したのであろう。出家して禅寺の堂守となったが、漂泊の思いにかられてはそこを離れ、食を乞い、野宿して山野を流浪した。山中、疲れてふと腰かけた石が、墓石だったのだ。