焼け土や

ほり出す海老も

秋暑し

小沢 碧童(おざわへきどう)

『碧童句集』(昭三五)所収。昭和十六年六十一歳で没した東京生まれの俳人。生家は日本橋魚河岸の魚問屋。新傾向俳句の盟主河東碧梧桐の愛弟子で、新傾向や自由律の句を作ったが、句を通して読むと体質は定型詩人だと思わせられる。関東大震災(大正十二年九月一日)以降の作では定型に復した。清潔な孤独感の漂う都会人らしい作に特徴があり、芥川龍之介とも親交があった。これは大震災直後の魚河岸の句。珍しい題材を俳句にとらえている。