憂き事の

まどろむほどはわすられて

覚むれば夢の

ここちこそすれ

崇徳院

『保元物語』所収。七十五代天皇。上皇の時後白河天皇と対立、摂関家や武士が加わって内乱(保元の乱)となる。敗れて四国の讃岐に流され、悲憤をいだいて崩御。敗北後、一時京の仁和寺に預けられた時の作である。悲嘆憂悶もまどろんでいる間だけは忘れることができる。しかし覚めれば、現実はまるで夢そのもののようだと。信じ難いことを目の前にした心の深いまどいを伝える。多感の人で、百人一首には院の情熱的な秀吟「瀬を早み」がとられている。