美術作品

「オールド・ファッション・アーケード」

1965年 宇佐美圭司

1962年の晩秋のころだったはずだが、私は日本橋の南画廊に行って、たまたま居合わせた友人東野芳明と雑談していた。そこへ、高校生か、でなくとも高校を出て間もない感じの痩身の青年がやってきて、画廊主の故志水楠男とひとしきり話 […]

「アララットの船あるいは空の蜜」

1971-72年 加納光於/大岡信

加納光於の今はほとんど木工所と化したアトリエ別棟から、1971年秋に35個の『アララットの船あるいは空の蜜』が巣立つ。それはひとつずつ微妙に異る内部を持ちながら、すべて独立完結した35個の函である。縦680ミリ、横442 […]

「耳ヲ彩ルモノ」

1981年 菅井汲/大岡信

1981年初夏。菅井汲のアトリエ。パリ。私は菅井が用意してくれた何枚もの純白の紙に、自作の詩の断片を筆で書く作業に没頭していた。おのおのの紙の余白部分に菅井汲の絵をつけてもらって、二人の合作のアルバムを作ろうというのが私 […]

「連句 牡蠣の口」

1982年頃 加藤楸邨/大岡信

私はこれまでにも楸邨句に七七を付け、二句一体の別の世界を産み出す試みをたびたびしてきた。何しろ、すでにその一句でみごとに完結している楸邨句をとり出して、あらためて私自身の詩句の一部分として使ってしまおうというのだから、思 […]

「Tones of Conversation Ⅱ」

1984年 嶋田しづ

嶋田しづの絵は、画布上に丹念に塗り分けられて配置された幾層もの色面の、寒暖・明暗・静と動・軽快と重厚・瞑想と発語といった対比や並列の構造によって、独特な息吹を発している絵である。このような画面構成は、豊かな隙間の空間とで […]