この時期(*注・1960年頃)には僕は「今日」というグループにも参加しておりましたが、その中でまたひとつ小さなグループ「鰐」を作りました。吉岡実、清岡卓行、飯島耕一、岩田宏と僕の五人で、書肆ユリイカ発行で雑誌「鰐」を十号出したわけです。「鰐」ができたために「今日」が自然解消したような感じになっているかもしれません。「鰐」に載った詩が、詩集でいうと『わが詩と真実』に主として入っていることになります。シュルレアリスム研究会、「鰐」の時期は、僕なりに一所懸命詩を変えることも考えたし、少くとも言葉の質感とか詩の作り方、構成の仕方を何とか変えてみようとした時期です。かなり危なっかしい詩があるんじゃないかと思います。」

(「異物を抱え込んだ詩」『大岡信著作集1』より)