レポート

秋から冬にかけて約3ヶ月間にわたり開催した「谷川俊太郎展・本当の事を云おうか・」。詩作や朗読、写真など谷川さんの様々な仕事を紹介することができました。また、谷川さんが詩(文)を書いた詩集や絵本の原画の展示も、本展の魅力の一つとなりました。この他にも、谷川さんが幼少期に夢中になっていたという模型飛行機や、200点近くを集めたというラジオコレクション、また、詩を書き始めた頃の詩稿のノートや、家族や文化人たちと交わした書簡も展示。谷川さんの「本当の事」に少しは迫ることができたのではないかと思います。谷川さんからは、「この展示をこのまま家に持って帰りたい」との言葉もいただきました。
今回の展覧会の構成には、2つの軸がありました。一つは、過去から現在にいたる時間軸。そしてもう一つは谷川さんの内面(個人)から外側(社会)に向かう軸です。この2つの軸を重ねるようにして、会場の中心から外側へと広げていきました。この構成には、自分は樹の年輪のように、幼い頃の自分もそのまま残っているのだという谷川さんの言葉がヒントになっています。実はこうして作られていた会場。谷川さんを体感していただく工夫の一つでした。
また、展示室「大岡信の部屋」では、谷川さんと大岡信が共に行った仕事を展示。海外の詩人たちと巻いた連詩や、独自の国語の教科書『にほんご』を取り上げ、言葉というものにおける、二人の広く深い活動を紹介することができました。一方で、二人がそれぞれに制作したアートオブジェも紹介。こちらでは二人の嗜好の違いが明らかになりました。
本展会期中に85歳の誕生日を迎えた谷川さん。ご来館いただいた皆さんからのバースデーカードは300枚以上を超えました。いかに多くの方から愛されているかが分かります。
本展にはたくさんの方にご来場いただきました。ありがとうございました。

谷川俊太郎

詩人

1931年東京生まれ。
1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。 1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詞賞、 1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、 1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、 1993年『世間知ラズ』で第1回萩原朔太郎賞、 2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞など、受賞・著書多数。 詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表。 近年では、詩を釣るiPhoneアプリ『谷川』や、 郵便で詩を送る『ポエメール』など、 詩の可能性を広げる新たな試みにも挑戦している。