レポート

約5ヶ月にわたって開催された「Works of VISUAL WORKS」の関連展示として取り上げた「お伽草子」。それは、古来より語り継がれる遠い昔の「ファンタジー」です。本展は、その「お伽草子」を、大岡信の現代語訳で紹介するものでした。親しんでいるはずの「浦島太郎」や「一寸法師」。本展で、その物語の意外な展開を知った方も多いと思います。
2つの物語の主人公は、実は某CMでよく目にするキャラクターでもありました(しかも会期中、CMでは一寸法師がフューチャーされました)。このことからも解るように、「お伽草子」というものは、決して古いものではなく、生き続ける物語です。生き続けるうち、改変されてしまったりすることもありますが、それも「お伽草子」の特徴のひとつ。そこに魅力があると、大岡信は伝えています。
この展示では、ワークシートを作成し、より深く物語を読み込むためポイントを紹介しました。本来ならば「お伽草子」は読んでもらって(音で)楽しむもの。これを機に、お伽草子の魅力に触れてもらい、読み聞かせの場が増えることを期待します。そのとき、ストーリーの多少の改変は許されるはずです。後にはきっと魅力となって、子どもたちを喜ばせることでしょう。

大岡信 おおおかまこと

1931(昭和6)年、三島市生まれ。詩人。歌人大岡博の長男。父と窪田空穂の影響で、沼津中学時代に作歌・詩作を行う。一高文科から東大国文科卒業。在 学中に「現代文学」、卒業後「櫂」に参加し、「シュルレアリスム研究会」「鰐」を結成。読売新聞外報部勤務を経て、明治大学・東京芸術大学の教授をつとめ た。詩と批評を中心とした多様な精神活動を行い、また連歌から発展させた連詩を外国人とも試みている。日本芸術院会員。