レポート

 新シリーズの最初は万葉集。「万葉集は実に不思議な歌集です」と大岡信は言っています。その理由はたくさんありますが、一つあげるとすれば、「万葉集の中には、その後の日本の詩歌がたどってきた紆余曲折の歴史の、根本的に重要なところが、ほとんどすべて、萌芽状態ですでに存在しているということです」と。 大岡信の古典論は『紀貫之』から始まり、『私の万葉集』へといたります。古典論を集めた『日本の古典詩歌』全五巻の第一巻は『万葉集を読む』。自分にとって詩作と古典詩歌論は別のものではないと大岡信は打ち明けます。なぜならそれらは古典詩歌への恋文のようなものだからです。ラヴレターこそ詩の原型、その原型がいっぱい詰まっているのが『万葉集』なのだ、と。春、夏、秋、冬へのラヴレター、海への、空への、そしてあなたへのラヴレター。
 新シリーズ万葉集の第1回は神話的世界、古代の愛と死の世界へと踏み入ります。題して「遊ぶ遊ぶ」。ことば豊かな万葉の世界に遊んでみませんか!

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