今までいろんな写真を撮ってきたのです。そしていつも思うのです。
写真は真実を写さないって。
報道写真のように、いつどこに誰がいてどんな状況であったというような見方をすれば、
おそらくなるほどそれは真実を写すと言って良いのです。
でも僕が撮りたいと思うような写真では、写真は真実を写すとは言いにくい。
例えば、カメラの眼は1つです、人間のように2つではなくて。
だから自分の見た目と遠近感がまるで違う。
それからアナログではフィルム、デジタルでは受光素子ですが、
そこに焼き付けられた情報や、そのあと展開されるであろう画像は、
明るさに対する許容範囲も、色域も、色感も自分の見た目とまるで違う。
だから、もちろん自分の眼で見ているものが真実であるとするならばですが、
写真は真実を写すとは言いにくい、絶対に、おそらく、たぶん。
だからいろいろ操作をするのです、写すときも、写したあとも。
ふむふむこんな風なのだとひとりぶつぶつ言いながら。
写真は写し手が抽象化しながら描き出す創作なのだよと、ひとりぶつぶつ言いながら。

地蔵堂川にて

地蔵堂川にて